着物の用語集




揉箔 (もみはく)
金彩加工の技法の1つ。ローケツ染の亀裂のような表現を金彩で行う方法。

モヤ暈し (もやぼかし)
引染技法の1つ。生地全体にもやがかかったようにぼかす加工方法。

盛り金 (もりきん)
金彩加工の技法の1つ。刺繍のように盛り上がり、立体感を表わす。

紋洗い (もんあらい)
紋を付ける部分を洗い、糊・汚れなどを洗浄する技法。

紋紗 (もんしゃ)
文様を織り出した紗。地紋のある紗地。盛夏用に用いる生地。

紋糊 (もんのり)
家紋などの紋章を付ける時に用いる防染糊。または、防染を行うことをいう。


焼箔 (やきはく)
銀箔を硫黄〈イオウ〉などを用いて化学変化を起こさせ、中金色・青貝・赤貝・黒箔などの種類にしたもの。



裄 (ゆき)
首の後ろのつけ根の骨のところから、肩先を経て手首までの長さのこと。キモノの裄寸は、着用者の裄寸法と同寸に作のが一般的。

湯通し (ゆどうし)
織物仕上工程の1つ。織物を温湯に漬けて、製織のために付着した糊を除去すること。また、湯通しすることで、光沢と柔らかな味が出る。



洋花 (ようばな)
一般的に、カトレア・バラ・チューリップなどを洋花という。それに対し、菊・梅・牡丹などを和花という。

四つ身 (よつみ)
キモノの裁ち方の1つ。大人物の本裁ちに対し、中裁ちに含まれる。5~12歳くらいの子供用の長着。身丈の4倍で身頃を裁つことからの呼び名。



羅 (ら)
網目状の透けた薄い織物。経糸が複雑に絡み合って、編物に似た外観をしている。中国漢の時代に多数織られ、正倉院蔵の古代裂にも見られる。細かい網目状の織り方と粗い籠目状の織り方を併用し、文様を表わしたものを紋羅という。

落款 (らっかん)
手描きのキモノや帯に押してある印で、作者を示すもの。キモノは下前、帯はたれのところに押すことが多い。

螺鈿 (らでん)
おうむ貝や蝶貝など、真珠光を放つ部分を薄片にして、種々の形に切って装飾に用いる。



霊獣 (れいじゅう)
尊く不思議な、実在しないけもの。麒麟・龍・鳳凰など。

連珠文 (れんじゅもん)
珠を連続させた文様。ササン朝ペルシャで創始され、中国を経て日本に伝わる。円文の縁の円帯部に連珠文をめぐらしたものを連珠円文という。法隆寺蔵・正倉院蔵に残る織物類に多数見られる。



絽 (ろ)
紗織と平織とを組み合わせた組織を持つ絡〈カラミ〉織物。平絽〈ヒラロ〉・綾絽〈アヤロ〉などがあり、夏のキモノ地に用いる。

ローケツ染 (ろうけつぞめ)
ロウを加熱し溶かしたものを、筆や刷毛を用いて布に模様を描く。また、布面に伏糊のようにロウを固着させて、染料液の浸入を防いで、模様染をする方法などがある。この方法を用いて、色を重ねていけば、味わい深い独特の色調が表現される。ロウの種類には、パラフィン・ミツロウ・木ロウなどがある。ローケツ染の発祥地はインドといわれ、ペルシャ・エジプト・南方の島国・中国などのさまざまな国を経て日本に伝わり、歴史は古く、ジャワ更紗はその代表的なものとなる。日本では、天平の三纈の中の1つ、 纈の名で呼ばれ、正倉院蔵に残されている。

ログウッド
植物染料の1つ。マメ科の常緑高木でメキシコが原生国。樹木の幹から浸出〈シンシュツ〉するヘマトキシリンを主成分に形成している。黒色を染める時に、媒染剤を用いて、使用される。

六通 (ろくつう)
帯全体の6割ほどが、柄つけされている帯のことをいい、六尺通しともいう。



枠場 (わくば)
生地の両端をつなぎ合わせて、ベルト状に生地を張り、作業を連続的に行うのに用いる道具。


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